必要栄養量について

こんにちは。

管理栄養士のはっつです。

前回は、水分についてお話しました。

今回は、一度は疑問に思ったことがあるのではないか?という内容です。


訪問していると「自分に適正なカロリーってどれくらいですか?」と質問があります。

これは、実は変な文章なのです。


「カロリー」とは単位のことです。

メディアなどでもよく使われているので

「エネルギー」より「カロリー」の方が認知されていますね。


例えば、体重で同じように質問をしたとすると

「自分に適正なキログラムってどれくらいですか?」となります。

変ですよね。


正しくは「自分に適正な体重ってどれくらいですか?」となります。

よって、「自分に適正なエネルギーってどれくらいですか?」が正しいです。


今回は、エネルギーについてお話したいと思います。

エネルギーとは何でしょう?

糖質のこと?脂質のこと?タンパク質のこと?


糖質、脂質、タンパク質を三大栄養素といいます。

糖質は脳や神経系のエネルギー源となり、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。

過剰となったものは中性脂肪になります。


脂質は主にエネルギー源になるほか、ホルモンや細胞膜を作る材料になります。

脂溶性ビタミン(D、A、E)の吸収を助ける働きがあります。


タンパク質は筋肉や臓器などの身体を構成する成分となります。

答えは糖質、脂質、タンパク質の全てがエネルギーになります。

糖質とタンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalになります。


エネルギー量の算出方法はいくつかあります。

日本人の食事摂取基準です。

厚生労働省から現在は2015年版が出ています。5年ごとに改定しています。

使用期間は平成27年度から平成31年度の5年間になります。

対象は健康な個人ならびに集団、高血圧、脂質異常症、高血糖、腎機能低下に関しては保健指導レベルにある者までを含むとなっています。

疾患による目標量がある場合は各種ガイドラインを参照してください。


エネルギーの指標として、体格(BMI)を採用しているのでBMIの説明をします。

BMI(body mass index):体格指数

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例)身長160cmで体重60kgの場合

60kg÷1.6m÷1.6m=23.4



BMIは単独で栄養状態を示しません。

BMIが高くても筋肉量が多い場合もあります。またBMIが低くても脂肪量が多いこともあります。これらの場合は体脂肪量を測定すると指標になります。


厚生労働省による国民健康・栄養調査(平成29年)では、65歳以上の低栄養傾向の者(BMI≦20)の割合が16.4%であり、男性12.5%、女性19.6%となっています。

80歳以上では男女ともに約2割が低栄養傾向にあります。







目標とするBMIの範囲内にある高齢者の割合は、男性では5割を超えているが、女性では70歳以上は4割を下回っています。範囲未満の者の割合は男女とも70歳以上で高くなります。


また、四肢の筋肉量は、男女とも年齢が高いほど有意に減少しています。

肥満は問題ですが、年齢が高くなると低栄養も問題ですね。


特に、やせていて体重減少が大きい場合は、備蓄がない分、栄養状態の低下が速くなるので注意が必要です。



Harris-Benedictの式による算出です。

男性 基礎代謝量=66.47+13.75×現体重(kg)+5.0×身長(cm)-6.75×年齢(歳)

女性 基礎代謝量=655.10+9.56×現体重(kg)+1.85×身長(cm)-4.68×年齢(歳)

必要エネルギー量=基礎代謝量×活動係数×ストレス係数




活動係数、ストレス係数のいずれも十分なエビデンスがないので個々人の必要量は体重変化をみて評価し、補正します。

そもそもストレス係数のような方は在宅いないと思います。


現体重1kgあたり25~35kcalを乗じます。

例)60kg×25kcal=1500kcal

ストレスが多い場合は35、寝たきりで高齢者は25のように選んで算出します。

その後、経過をみて補正します。


間接熱量計で基礎代謝量を測定する方法があります。

測定器を用いて、呼気や放散される熱を測定することによって算出する方法があります。

しかし測定器が必要ですし、簡易的ではありません。


そこで、在宅で使いやすいのは、の計算方法ではないでしょうか。

私は実際この方法で計算して算出しています。

これはあくまで目安なので、体重の経過をみて再評価しています。


あまり動かない

  ↓

現体重(kg)に25kcalを乗じて算出

  ↓

そのエネルギー量で体重が増えた

  ↓

そのエネルギーでは多い    ということになります。


逆に、算出したエネルギー量で体重が減った場合は、脱水、浮腫の改善、薬物の副作用、代謝亢進が起こる疾患、高血糖の可能性がないかを確認します。

それ以外なければ設定した必要エネルギー量が不足している可能性があります。


【エネルギー過不足の見つけ方】

エネルギーの過剰は脂肪肝をまねきやすいため、体重が月5%以上増加(60kgの方の場合は63kgに増加)、あるいは必要栄養量の130%以上とならないよう注意します。

浮腫がある場合は見かけ上の変化に注意が必要です。


エネルギー不足は、BMI22以下の患者の体重減少、食事提供量または必要量に対して75%以下で基礎代謝量を下回る量の時に注意します。


訪問した際には、体重測定などの身体計測をさせていただいております。

体重などの結果から過不足を評価しています。

結果はお伝えしていますが、実際食べている量の栄養量が知りたいという場合は、算出しますので、お気軽にお声かけください。



(引用・参考文献)

1)足立香代子,小山広人:NSTで使える栄養アセスメント&ケア.学研,2007.

2)厚生労働省,国民健康・栄養調査,2017

3)厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2015年版)

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